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ユニバーサルデザイン絵本センターのキャラクターである「てんてん」が自分の好きなモノを順々に紹介していきます。でも一番好きなのは… みなさんからてんてんはタヌキなのと質問がありますが、タヌキではありません。 じつはてんてんはてんてん王国の王子です。 大きく表現されている絵は0歳児の赤ちゃんも大好きです! ぜひ、さわってみてほしいな! |
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みてみて、透明インクででこぼこしてるよ。 さわるととっても気持ちがいいんだ。 ●ユニバーサルデザイン絵本は様々な工夫が施されています。 1.フラットなカラーの絵柄に透明の凸を採用しています。イラストが浮き出て感じるので触っても楽しめます。 2.不思議な製本方法。一枚の紙を蛇腹に折って、絵本の形に仕上げられています。金具を使って綴じていないので針金が飛び出て手をケガすることもありません。 3.点字一覧表の表示。これで点字を少しでも身近に感じてもらえることでしょう。語呂合わせのように覚えると面白いです。 |
UD絵本作家 なかつかゆみこ | |
ある日、一人の青年と出会いました。 彼はたまたま目が見えませんでした。 出会ったとき彼は、バイオリンを弾きながら楽しそうに歌をうたっていました。 それがあんまり楽しそうだったので、私は自分の描いていた絵を彼に見てもらいたいと思いました。 それはそう、「こんにちは。はじめまして」のつもりで。 でも彼は目が見えません。 それで私は、なんとか絵がさわれるようにならないものだろうかと考えたのです。 それが、私が「さわれる絵本」を作ることになった全ての始まりでした。 次の日、点字図書館というところに行きました。 そこで始めて点字の本を見たのです。 本を開くと、中のページが真っ白でびっくりしました。 絵もない、字もない、白いページに見えました。 でもさわってみると、指に点字のつぶつぶが触れました。 それは私にとって、はじめての点字との出会いでした。 その日、その図書館で、目の不自由な子どもが読める絵本が、ほとんどないということを知りました。 「あったらいいなぁ。目の見える子も、見えない子も、いっしょに読める絵本・・」 そう思っていると、その図書館で働いている女の人に会いました。 その女の人は、2人の子どものお母さんで、目の見えない人でした。 「さわってわかる絵が作りたいんです」と私が言うと、その人は「手伝ってあげる」と言ってくれました。 それから、何度もそのお母さんと喫茶店で会って、どうしたらさわれる絵本ができるのかなと、たくさん考えたり、意見を聞いたり、話し合ったりしました。 テーブルのこっち側に私、向こう側にそのお母さんが座って、真ん中のテーブルにはいつも、私の作った手作りの「さわれる絵」がのっていました。 そのお母さんの子どもさんたちはみんな目が見えたので、目の見えないお母さんと見える子どもたちとが、一緒に読める楽しい本ができたらいいなと、いつも思っていました。 それからずっと時間がたって、やっと、目の不自由な子も、見える子も、みんなが使える絵本ができました。 本を作るときには、たくさんの大人の人が力をかしてくれました。 それが1999年に私がはじめて作ったバリアフリー絵本です。 そしてそのあと、2002年に設立されたユニバーサルデザイン絵本センターから発行されたユニバーサルデザイン絵本(UD絵本)も、同じような気持ちで一生懸命作りました。 UD絵本も、バリアフリーえほんと同じ、みんなでさわって遊べる絵本です。 「目の見える子と見えない子が一緒」に、「見えないお母さんと見える子が一緒」に、「見えるおじいちゃんと見えない孫が一緒」に、そういうさまざまな人たちが、みんなで遊んだり楽しんだりできる絵本です。 UD絵本のほんとうの良さが出てくるのは、違いを持ったひとりひとりの人が、一緒に遊ぶときです。 遊んでいるうちに仲良くなれたり、その人のことを少しわかったりできたときです。 いろんな違いを持った人たちがUDえほんを通して、たくさん仲良しになってもらえたら、私はそれがとってもうれしいです。 |